The Last Ship / Neil Simon Theater @7:00pm Music and Lyrics by Sting 昨年10月からブロードウェイで始まったこのミュージカル。スティングが音楽を手がけているということで、ずっと観に行きたかった作品だ。でも思ったより人気がでなかったようで、途中からスティング自身が出演する事になった。しかも今年に入り、24日には終わると聞き、悩みながらもスティング見たさにギリギリで思い立ってチケットを購入した。しかし行ってみると、お客がいないと思いきや、満席。一番後ろの席だった。手に入ったのはラッキーだったのかも?! スティングが歌った瞬間から、彼と分かるあの声。歌だけでなく演技もうまく、若々しいので本人かと疑ったほど。激しいダンスはしてなかったけど、ステップを踏むリズム感は完璧で、さすが。。。格好良くって本当にさすがとしか言いようがなかった。昔からスティングの音はクールだった。声だけではなく、彼の独特のフレーズとハーモニー。それが満載のこのミュージカルは最初からずっと私を魅了した。11月に観た”Once”はアイリッシュだったが、また米国ではなくヨーロッパ(イギリス)のもの。ブリティッシュ英語のがサウンドが好きで、ちょっと物悲しく哀愁漂う民族音楽のような熱いメロディーが心を揺らす。 セットがかなり大掛かりだったような、、、火花が散ったり、水が流れる場面。そして最後のシーンも迫力があって盛り上がっていた。終わってしまうのは勿体ない。興行が悪いのでは仕方ないけど、ブロードウェイで勝ち抜いて行くには派手なショーの方が人気があるのかなー。アーティスティックなものとしてはよく出来ていた。スティング効果はあっただろうし、彼なしで続けるのは難しいのかもしれない。他のキャストも皆個性的ですごく良かったし。 ブロードウェイは何を観ても楽しめる。席が遠くても、そこまで劇場が広くないのか、満足できる。アクターの質が高い事もその一つ。ダンスに関しても一寸の乱れもないし、歌も音程がぶれる事などない。当たり前のようで、そうでないということ。それがアメリカのエンターテインメントのクオリティの高さだ。激しい競争の元にキープされているこの実力。本場のブロードウェイミュージカルを是非日本人に観て欲しい。英語が分からないという理由で観ないのはもったいない。いつまでもこの質を知らずにいるのは、、、 この1月にいくつかのミュージカル作品が終わった。次はどんなものが始まるのだろう? 11月に”Once”で刺激を受け、それがきっかけとなり、生の良さを改めて感じてライブに足を運ぶようになった。12、1月はWest Village のバー、Garage であったMasami Ishikawa Trio のGigで私自身も1曲歌わせてもらった。ライブの熱さや音楽の持つバイブの力強さ、そして衝撃は、画面からでは決して感じられないものだ。ミュージシャンの価値を全面で受け止めるような気持ち。NYの街の鼓動は、彼らの熱い胸の鼓動と共鳴しているのかもしれない。 Jane Monheit (Vocal) (1st set @7:00pm)
with Michael Kanan & Billy Stritch(p), Neal Miner(b), Rick Montalbano(d) and Joel Frahm(ts) 日本にいる時からファンだったJane Monheit。ジャズっぽくない高い声に惹かれて、ずっと聴いている。とは言え、NYでライブで聴くのは初めて。今まで何をやってたんだか。いつでも行けると思うと行かないもの。人は愚かだ。。。彼女はThelonious Monk Competition で2位になったのをきっかけに活躍しているジャズシンガー。この有名なバードランドでのショーも多い。この日も「自分の家みたいで嬉しい。」と言っていた。風邪でいつもより低い声と言っていたが、あまり響きは変わらないように思えた。よく喋ってたし。。 ずっと同じTrioで演奏している為か、安定感がある。家のようなステージで、10年以上一緒の家族のような仲間との演奏。リラックスして歌っているのも当然かもしれない。この日、何よりも楽しそうに歌っているのが印象的だった。以前日本で見た時、なぜか辛そうに見えたから。。。(異国の地で、客のノリも悪かったのから?あの時は声がかれてしまっていた。)演奏しているミュージシャンが楽しくなかったら、オーディエンスが楽しめるはずがない。いつもは派手なエンターテイメント的ショーにいつも抵抗があるのだが、”音楽は純粋に人を楽しませるものなんだ”という当たり前の事に気づかされたパフォーマンスだった。一番気にいったのは、ジャズというよりポルトガル語で歌っていたサンバのリズムの曲。ノリがよく、鼻にかかったポルトガルのサウンドと高音の軽やかさがピッタリだった。サビのメロディーは覚えているが、残念ながら曲名は不明。 それにしてもいつも感心するのは曲のアレンジ。私の嫌いな曲も、いつも”アレ、あの曲が?”っと思うほど美しく、またはクールに歌いあげる。今回アンコールに歌った”They Can't Take That Away From Me".。どうしても好きになれなかったのに、帰り道、ずっと口ずさんでしまった。アレンジの良さも理由の一つだが、一番は歌の表現力。シンガーにとって歌唱力は当然のスキルで、あとは言葉(歌詞)にハート(魂)を注ぎ込めるかが全てだ。これに尽きると思う。 この日、突然の急ぎの仕事で、ショーの始まるギリギリの時間にバードランドに着いたため、既にいい席がなかった。後ろの方の席に案内されたが、「もっと近くの席はない?」と聞いて、最後に連れて行かれたのがドラマーの真後ろのテーブルだった。近いけどシンガーの顔が全く見えない!背中だけ。。。でもステージの真横なので、バンドの一部になれた気がして面白いかも?と思った。実際あまり近かったので、ショーの後にはJaneと話をする事もできた。それにしても、すごーく高いヒールを履いて、よくあんなので歌えるな〜と感心。私は歩くのもままならないのに(笑)。幸せを届けられるSingerって素晴らしい!そんな事をしみじみと思いながら、家路についた。 Peter Bernstein Quartet (1st set @7:30) Peter Bernstein[g], Brad Mehldau[p], Greg Hutchinson[d], Christian McBride[b] アメリカではお正月休みはない。2日から仕事初め。但し、今年に限っては2日が金曜日だったので、週末までずっと休む人々が多かった。地下鉄も年末と同じくガラガラ。観光客で賑わうマンハッタン/ミッドタウンのオフィスの周りには、NYの街を楽しむ家族連れがゆったりと歩いていた。その日の朝、ジャズシンガーのショーを探そうと、とりあえず有名なDizzy's Clubのサイトをチェックした。そこで目に飛び込んで来たのがPeter Bernsteinのフォト。No way! 昨年からチャンスがあれば行こうと思っていたジャズギタリストである。しかもその日の夜、Quartetで一緒に演奏するメンバーも最高だ。どうしよう、これは行きたい!行くしかない。うーんでも、、、かなりカジュアルな格好で出勤してしまった私。いいんだろうか、、、(Dizzy's はちょっとおしゃれだから。)キラキラ光るネックレスだけが何とか救い。で、電話してみると、予約席は週末も含め全て完売。そう、観光客が多いこの時期、かなりの競争率なのだ。電話の女性が「ニューヨークの人?このナンバーはそうよね。知ってるでしょ、6時か8時に来てサインアップしなさい。それしかないわ。」と言った。OK!仕事を終えて一番に並ぼう。Dizzy's Clubは10分もあれば歩ける距離。エレベータ前には既にかなりの人が集まっていたが、幸運にも列の4番目に並ぶ事ができ、7時半からのショーを確保。開始時間に戻ってくればいいという。”Yes!”と心の中で叫び、1時間のウィンドーショッピングへ。それにしても、このミュージシャンをさらっと聴けてしまう。そこがニューヨークのいいところ。 何年か前、Peter Bernsteinはどこかの店で気さくに話しかけてきた。その時もあまり普通だったので驚いたが、今回もシャイな感じに見えた。演奏はBrad Mehldau とともにメランコリックなインプロで、しっかりしたMcBrideのベースとエキサイティングで軽快な Hutchinsonのドラムの上で心地よくプレイを楽しんでいる感じだった。 この何年か、以前ほどあまりジャズを聴きに行ってなかったが、この年初めの幸運を期に、今年は本能の求めるままに色々な音楽を聴きに足を運ぼうと思う。NYの良さの一つは、音楽の最高峰がいつでも気軽に聞けるところだ。文化的にはほぼ全てに会えると思う。ジャズに限らずクラシック、ミュージカル、ダンス、ポップス、絵画、、、そして新しい音楽、若手の才能にも出会える。そして自分の音楽も聴いてもらえる機会があれば、こんなにHappyな事はない。音楽とともに素敵な2015年になる事を願って、Happy New Year! |
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April 2022
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